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「情報」は「財物」に当たらず ・・・ と言われても,大半の人は何の事やら訳が分からないと思います。

簡単に言うと・・・

「情報」を盗んでも(現在の法律上では)犯罪に問う事ができない。

ということです。

「情報」は「財物」に当たらず 「情報窃盗罪」なく個人情報流出の一因に ITmedia News




>三菱UFJ証券の顧客情報流出事件をめぐり、「情報」の持ち出しに罰則がないことが改めてクローズアップされている。逮捕された同社元社員は持ち出した顧客情報を高値で売却していたのに、警視庁が窃盗容疑で立件できたのは「情報」の内容ではなく、元社員が持ち出したCD1枚(65円相当)だけ。「情報」は刑法上「財物」に当たらないためだ。


この記事で思い出したのが,「盗電」。

目に見える,形ある物(物品)の盗難という概念の成立はかなり早いことは言うまでもないでしょう。

その後,電気が普及していく中でやはり悪い事を考える人は出てくるもので,余所の家から勝手に線を引いて電気を使っていた。いわゆる「盗電」が発生しました。
が,その当時,「電気を盗む」という概念が不十分だったため,窃盗罪にはならなかったそうです。
注:今現在では間違いなく犯罪です。現に逮捕者も出ています。


そして・・・今回の事例ですが・・・実は,同じような事例を10年は前に目にした覚えがあります。
詳細は覚えていませんが,『顧客情報が記録された磁気テープを会社から盗み出した人が,品物としての磁気テープの窃盗では立件されたが,その中に記録されていた情報については罪には問われなかった』というような内容だったと記憶しています。


私が以前目にした事例も,今回の事例も,「盗む価値のある対象」が何かというと,「品物(記録媒体)ではなく,その中に記録されている情報」です。

現実世界の技術の急激な進歩に対して,法律の整備が何歩も遅れてしまうのは,それこそ何年も前から指摘されていることではあるのですが,10年は前にもあったにも関わらずそれから進歩していないと言うのはどうかと思います。

>「情報」は刑法上「財物」に当たらないためだ。

コレがそもそもですよね。

これが整備されていれば,個人情報保護がどうこうではなくその時点で「窃盗罪が成立」ですから。

思うのですが・・・立法府のここ数年の状況を思い返してみると・・・ため息しか出てこないよなぁ・・・。


ところで,「品物(記録媒体)ではなく,その中に記録されている情報」という意味では,「著作権」も同じような物だと思いますが,こちらは少しずつ認識が広がりつつあるような感じがします。
それが議論される場面も増えてきましたし。


それから,もう一つ気になったのは,こんな重大な事柄がニュースできちんと取り上げられているかどうか,ってこと。

いや,ここ暫くTVニュースすらまともに見ていないので,見逃しているだけ・・・だと思いたいけど思えないなぁ。

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